盗難車隠匿の温床となりやすいヤード(廃車の保管場所・解体所)を規制する条例が各地で制定されているが、東京都議会の警察・消防委員会で「ヤード規制」を求める請願が不採択となった。片岡英明氏とともにお伝えする。 【画像ギャラリー】どんなクルマでも盗まれる危険はある……防犯は万全に!!特に盗難台数が多いクルマたち(16枚) ※本稿は2024年12月のものです 文:片岡英明、ベストカー編集部/写真:トヨタ、AdobeStock(トップ画像=Haru Works@AdobeStock) 初出:『ベストカー』2025年1月26日号
盗難車の解体や転売を防ぐ案なのに……
東京都議会の警察・消防委員会で、自動車窃盗団の拠点にもなっている「ヤード」の規制を求める請願が不採択となりました。出席した都議のうち、賛成したのはわずか2人。なぜ不採択となったのでしょうか。 ●片岡氏のコメント ここ数年、人気モデルや高級車の車両盗難が増え、しかも盗難が巧妙化しているから深刻だ。 盗難車はヤードと呼ばれる保管場所や修理工場で解体されることが多い。盗難と疑われるクルマの解体や転売を防ぐために、ヤードを規制するのは有効な防止対策だ。 だが、首都圏で解体を行うヤードを規制する条例があるのは千葉県、茨城県、そして埼玉県である。驚いたことに、保有台数が多い東京都と神奈川県には規制する条例がないのだ。 「車両盗難を厳罰化する会」はヤード条例の設定が盗難抑止に効果が大きい、として東京都議会に請願申請した。 だが、意外なことに定例会で不採択となったのだ。大事な愛車を盗まれて落ち込んでいる盗難被害者のことを真剣に考えていないよね。議員は市民の代表なんだから、盗難に対して強い姿勢を見せてほしいね。