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急増する高級車の窃盗…狙われたランクル「頼れる相棒が数分で…」巧妙化する手口・カギ複製の“ゲームボーイ”とは【news23】

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全国で相次ぐ“高級車の窃盗”。その中でも件数が多いのがトヨタ・ランドクルーザー。防犯カメラには数分の間に行われる犯行の瞬間が映し出されていました。専門家は「ありえない手口が実際に起こっている」と警鐘を鳴らしています。その手口とは…

犯行時間はわずか数分“ランクル窃盗”に怒り

愛知県豊橋市で建設会社を経営する藤城匡昭さん。9月10日の深夜、駐車場に停めていた愛車が盗まれたといいます。

付近の防犯カメラは、不審な人物をとらえていました。

午前1時前、住宅街を歩く人影。少し遅れてもう1人が続き、その後、藤城さん宅の駐車場に侵入。5分後、車のライトが点滅し、白い車が走り去っていく様子が確認できます。

盗まれたのは、世界的にも人気の高いトヨタ「ランドクルーザー300」。2年前に800万円で購入したそうです。

車の窃盗被害にあった 藤城匡昭さん
「頼れる相棒と言ったほうが正しいのかな。家族との思い出も詰まっているものを、一瞬にして無くなってしまったので、悲しさというところはある」

ほんの数分で盗まれた愛車。被害届を出していますが、まだ犯人逮捕の連絡はありません。

いま、こうした高級車の盗難被害は全国で急増しています。「ランドクルーザー」の2025年上期の盗難台数は去年を上回るペースとなっています。

▼トヨタ・ランドクルーザー盗難台数(警察庁調べ)
2024年上半期:590台
2025年上半期:765台

日本車は海外で人気ですが、中でもランドクルーザーは耐久性や走破性から、中古車市場で特に高く売れるため、狙われやすいそうです。

藤城さんも盗難が増えていることを認識し、防犯カメラを設置した上で車にメーカーの防犯システムも装備していました。

――自分の車が盗まれると考えたことは?

車の窃盗被害にあった 藤城匡昭さん
「特には…そこまで喫緊の課題だという認識としては、ちょっと薄かったなというのは反省点。環境的にも、人通りも車の通りも多いところだったものですから…」

対策をとっていたにも関わらず盗まれた愛車。8月、富山県内では4台もの防犯カメラが設置された駐車場から、ランドクルーザーが盗まれる被害も発生しています。

被害にあった男性
「見た通り、防犯カメラとかは分かりやすく付けていたんですけど、なんの抑止力も無かった」

犯人たちは、どんな手口で車を盗んでいるのでしょうか。その形跡が残された車が見つかっています。

急増“ランクル窃盗”一部始終

名古屋市にある自動車販売店の防犯カメラ映像です。先月午前3時過ぎ、帽子とマスクで顔を隠した2人組が、白のランドクルーザーに近づき、1人が助手席のドアに工具のようなものを押し当てもう1人は車の周りをうろついています。

防犯カメラを気にしながら作業を続けること約8分。通行人に気付かれたのか、慌てて逃げていきました。2人はいったい何をしていたのでしょうか。

G-STYLE ゴンサルべス・アンドレ社長  
「ハサミのようなもので切られて、配線もちぎられてて」

助手席のドアに穴があけられ配線がむき出しに。よく見ると1本は切断されています。

アンドレ社長
「最新のやり方らしくて、CANインベーダーという方法みたい」

CANインベーダーとは、車の制御システムに侵入しロックを解除したり エンジンをかけたりする装置。近年、自動車の盗難事件で多く使われています。

これまでの車種は、CANインベーダーを接続する配線が細工しやすい位置にありましたが、最新車種では配線を隠すなど対策が進んでいます。そのため、犯人たちは車体に穴をあけて配線に接続しようとしたとみられています。

幸い車は盗まれませんでしたが、被害額は100万円ほどに上ると言います。

アンドレ社長
「車が盗まれなかったのは安心したが、被害が大きいので悔しかった」

カーセキュリティに詳しい攪上智久さんは、CANインベーダーよりも、さらに恐ろしい手口が出てきていると話します。

カーセキュリティプロショップA2M 攪上智久 代表取締役
「もっと怖いものが“ゲームボーイ”。スマートキーを車の横で複製してしまう機械まで出てきている」

通称“ゲームボーイ”と呼ばれる手口では、ドアノブを引いた際に車から発せられる信号をもとに、その場でスペアキーを作成できてしまうのだといいます。

攪上智久 代表取締役
「車がどんどんコンピューターを沢山使って、デジタルになったからこそ、出来るようになった盗み方。“CANインベーダー”や“ゲームボーイ”にしろ、むかし映画でみていたような盗み方。『こんなのあり得ないだろう』というのが実際に起こっている」

では、ハイテク化する盗難の手口にどう対応すればいいのでしょうか?

“あり得ない手口”どう対策?

攪上さんは、こうした手口に対応した“後付けのセキュリティシステム”を導入することが有効だと話します。

後付けのシステムを導入した状態で、もともと車に搭載されていたセキュリティだけを解除しドアを開けようとすると、大きなサイレンと共にドアが開けられたことが通知されます。さらに、この状態でエンジンをかけようとしても…

攪上智久さん
「このボタンを押すと通常はエンジンがかかるが、かからない。純正のセキュリティは“CANインベーダー”や“ゲームボーイ”で解除されてしまうが、後からつけたセキュリティは解除にならない。全く別の仕組み」

巧妙化する窃盗に対して、あなたはどうやって愛車を守りますか?

“ランクル窃盗”どう対策?

Q.車両盗難対策どうしてる?
(1230人回答 9月15日午後11時20分時点)
・警報装置など 15.8%
・防犯カメラ 8.0%
・GPS 5.1%
・なにもしていない 52.9%
・その他・わからない 18.2%

藤森祥平キャスター:
車の盗難対策について、「何もしていない」という方が半分以上ですが、対策するにもお金も手間もかかります。ここまで巧妙化していると、どこまでやるべきなのでしょうか。

クイズプレーヤー 伊沢拓司さん:
イタチごっこになってしまうので、虚しさを感じてしまうところもあると思います。やはり情報化社会で、全てがインターネットに接続されているとなると、我々としてはアップデートし続ける、新しい情報を仕入れるという資質はマストになってくると思います。

とにかくお金がかかるのはネックですが、この辺りは補助金などの対策が生まれないかなとは思います。

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<プロフィール>
伊沢拓司さん
株式会社QuizKnock CEO
クイズプレーヤーとして活躍中

出典元:TBS NEWS DIG

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